新見正則・白杉望による下肢静脈瘤のはなしと血管疾患のはなし このサイトについてサイトマップ
       
 

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陰部静脈瘤

はじめに

女性の陰部(大陰唇、膣内、その近傍)などにできる静脈瘤です。見た目が悪いと思われる方、性交渉時に不快感を覚えるか方が結構たくさんいらっしゃいます。場所が場所だけに、どこに相談して良いかわからない、はずかしい患者さんが潜在的に沢山いらっしゃるのだろうとおもいます。

 

原因は

  1. 局所的なもの
  2. 大伏在静脈の枝がそけい部から陰部に延び、それから派生した静脈瘤
  3. 骨盤内の静脈(内腸骨静脈)の枝から派生した静脈瘤

 

治療法は

  1. 軽い静脈瘤は硬化療法で消失することがありますが、圧迫が十分に出来ない部位のため、下肢の硬化療法に較べれば、上図にできません。麻酔をして摘出する方法が比較的うまくいきます。
  2. 大伏在静脈の枝が静脈瘤の原因である場合には、この枝をそけい部の創から処理する必要があります。
  3. 内腸骨静脈の枝が原因の場合には、手術的に処理することが困難なため、そけい部の静脈(大腿静脈)からカテーテル(細い管)をいれ、内腸骨静脈までおくり、コイルなどで詰める治療を行います。

 

検査は

局所的なものか、大伏在静脈の枝・内腸骨静脈の枝から派生するものかの鑑別が大切ですので、陰部の静脈瘤を直接さして、造影剤を入れ、レントゲンで枝を確認します。

 

手術は

軽いものは、日帰り手術です。場所が場所ですので、中等症以上のものは入院がお勧めです。この場合は下着は脱いで頂いています。

 

結果は

内腸骨静脈からの枝が残っている場合は再発の可能性が高いです。硬化療法単独も再発の可能性が高いです。敏感な部分ですが、お産では結構な損傷を受けますし、お産時に会陰切開をしても問題なく治癒しますので、陰部静脈瘤の術後経過も比較的良好です。

 

まずは、受診してください。バリエーションの多い静脈瘤ですので、診察後に詳しい治療法をお話しします。

 

財団法人愛世会 愛誠病院

〒173-8588 東京都板橋区加賀1-3-1

03-3961-5351

白杉 望

 

 
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